大学生の方への当塾のメッセージ(あくまでも当塾の感想です)
高校と大学では違う、ということは、大学入学前にいろいろな方から言われていると思います。当塾としては就職との関係で、文系学部に限定しますが、学部内中下位の平凡な大学生の立場になって大学を考えてみます。東早慶~〇✕大学まで大学のレベルは関係ありません。理系の方や文系でも士業につきたい、大学で特定の分野をどうしても勉強したいという方はここでは除外します。特に以下がすべて当てはまる方へのメッセージです。
受験勉強を自分なりに張ったんだから、大学ではまずは遊びたい。
テニスサークルだ!彼氏彼女を作りたい!
でも留年はしないようにそこそこに授業は出よう。
バイトもしてみてプチ社会経験も積みたい。塾講師・接客・飲食いろいろと試してみるか、、、
・一流大学卒の就職での価値
一流大卒ということは、「高校の学習内容についてよく知っている」ことの証明となりますが、それ以上のものではありません。よって企業側は新卒採用時は、大学在籍時の3年で何をやったのか?を知りたがりますし、その3年間でやったことがその企業にとって意味ある内容なのか?(間接的にでもOK)という観点から学生のプレゼンを聞きます。高校の学習内容をよく知っていますということは、企業にとっては18歳までの学力の証明という意味しかなく、採用のコストを減らすためのふるいの役にしか立ちません。一流大学卒の方が行きたがるような企業では、就職は最終的には同じ大学の方との競争になりますので、自分はいい大学だからきっといいところに内定がもらえると漠然と考えることは、その世界では通用しません。
・就職の成功を抜きにして大学の価値はあるのか?
大学に行って特にこれを勉強したいという生徒は多くはありません。高校に行くのに~が勉強したいから高校に行くと言う人はほぼいないと思います。大学も同様です。「自分が大学で何を勉強したいか」という筋で大学は高校生側に大学を紹介しますが、騙されてはいけません。それは大人の世界の本音と建て前です。本音は「うちの大学じゃないといい就職先に挑戦するチャンスはないよ」と言われているものとして考えましょう。あくまでの良い就職先を探す際にエントリーシートではじかれないためのもの、自分の信用証明、18歳3月時点での学力の担保と割り切りましょう。
こう考えると、大学で特に大学の授業の勉強をしたくはない、と考える平凡な学生にとっては、就職の成功あっての大学です。企業側も平凡な学生と同じで、大学での教育に無関心で、知りたいのは学生間の比較が可能な数値なので、SPIテストの数字を知りたがります。言い換えればSPIテストの内容をよく知っていて、さらに18歳までの学力の担保が出来ていれば良し、(TOEICの点数が高ければなおのこと良し)ということになります。もし、大学の成績が悪くても、それに代わるSPIとTOEICの点数があれば、代替可能です。この点からすると、平凡な学生の立場から見て、大学に合格した価値はありますが、入学後の大学の価値はないです。合格に高いハードルを課すという選別機能としてのみ大学の価値があります。
・日本の大学は、ベースは研究機関であり、教育機関ではありません
大学と高校との違いは、高校の教員は生徒の次のステップの合否のステークホルダーとなりますが、大学の教員は生徒の次のステップの合否のステークホルダーではないということです。これは、高校の教員の評価基軸(=教育者)と大学の教員の評価基軸(=研究者)は異なることから発生します。あなたの大学受験での成功は、高校の教員にとっての成功でもあります。しかし、あなたの就職の成功は大学の教員の成功にはなりません。よって生徒の立場からすると、高校には大学受験を頼れるが、大学には就職を頼れないということになります。高校の授業をがんばって勉強する行為は良い大学への入学に直接つながりますが、大学の授業をがんばって勉強する行為は良い会社への就職には直接はつながりません。平凡な大学生が人気の戦コン外銀商社に挑戦する際は、SPIとTOEICが低ければ話にならないということです。
・大学が育てる人材と企業が求める人材のミスマッチ
端的に言うと、会社側からの文系学部への要請は、2週間の間自社の製品・商品・サービスの研修を受けたら、すぐに3週目から予算(ノルマ、販売目標)をもって外回りの営業が出来るようにまで大学で教育してほしい、ということです。当月売上見込み表や三か月見通し、成約確度を示す商談管理、見積もり作成、受注手配ができれば、さらに良し。安心して客のところに一人で行かせても大丈夫なまでのコミュニケーションスキルまで大学で育成してもらえれば、さらにさらに良し。月末の押し込みスキル( 値下げ承認を得るための上司への説得方法を含む)まで大学で教育してくれれば言う事なしです。有名企業であっても無名の中小企業であっても、営業として違う点は「商材」と「金額の規模」しかありません(このことを理解していない大学生が多いのでは?と思います)。日本の大学側(特に経済学部や商学部)はこの要請を完全に無視しているため、大学の教育内容と、会社側が要求する人材のミスマッチが発生します。これが学生が大学の授業を頑張らなくてもいい大きな理由です。大学側には大学側の言い分がありますので、大学が悪いとは言えません。さらに会社にとって必要なものを大学が提供するということがそもそも間違っている、という大学側の意見も聞こえてきそうです。このように企業としては、大学の教員(特に文系)の研究内容などには全く興味がありませんし、大学の教員は企業の営業活動の内容に興味がありません。ここで、宙ぶらりんになってしまうのは学生達です。
このような現実を理解した上で、取り柄がないので、普通に就職かな、、、、でも自分の大学名にふさわしいレベルの会社には行きたい、と考えている大多数の大学生の方、上で挙げた学部内中下位を自認する大学生の方は、サピックスに通塾していた時の、小学校のような存在というように大学を意識すればいいと思います。大学に通いサークルや趣味に時間を大量に使いながら、就活を迎えるということは、小学校の授業だけを受けて、中学受験に挑むことに等しいです。
大学によって授業の成績の評価の精度がばらばらでいい加減であることは、採用側の人も過去に大学生であったために、分かってます(だから全大学生の精度が共通の SPI が重宝される)。楽勝科目とそうでない科目の違いなどは各大学によって異なりますし、良い評点をつけない科目の履修を避け、評点が良い科目だけをとれば全体のGPAは上がります。となると、大学の授業・成績は、就職には直接は効きにくい。大学の授業は大学院入試に効かない。これは、小学校の授業や宿題や課題だけをパーフェクトにしても、難関私立中には合格することは「絶対に」出来ない状況に極めて近いです。
・高校の授業を頑張ったのにいい大学に受からない → 教員からは謝罪あり
(力が至らなくてすみません)
・大学の授業を頑張ったのにいい就職先に受からない → 教員からは謝罪なし
(それは自分でなんとかしてよ)
・小学校の授業を頑張ったのにいい中学に受からない → 教員からは謝罪なし
(それは自分でなんとかしてよ)
です。平凡な出来の学生は、大学のアカデミックな雰囲気に騙されやすいです。この高尚な雰囲気の中で頑張れば、良い就職先にもつながるのではないか?という自己に対する暗示です。しかし、騙されてはいけません。
・縦割り教育機関
中学受験塾は、生徒が中学に入った後は関心・責任がありません。
→ 中学受験で生徒が頑張るようにあおりますが、その生徒の大学受験の正否への興味を持っておりません。もう終わったこと扱いとなります。
大学受験塾+高校は、生徒が大学に入った後は関心・責任がありません。
→ 大学受験で生徒が頑張るようにあおりますが、その生徒の就職活動の正否への興味は持っておりません。もう終わったこと扱いとなります。
大学は、就職活動はある程度サポートしてくれますが、会社に入った後のことは興味は持っておりません。もう終わったこと扱いとなります。
→就職を頑張るように、少しはサポートしてくれるかもしれませんが、会社に入った後のこと、配属部署、海外勤務、社内公募での米英院留学、退社→転職には興味がありません。もう終わったこと扱いになります。
教育行政が縦割り組織になっているため、それに付随する学校や塾も縦割りになっていると感じます。結局全期間を通じて心配してくれるのは、親、だけです。当塾に関しては科目は英語だけですが、出来るだけ長い期間、英語をキーにして生徒様の行く末を心配する塾でありたいと考えております。
そして…
以上のように考えると、普通の生徒さんが大学に合格した直後からやるべきことは、高3の3月の中旬から3年間、SPIの点数を可能な限り上げる、TOEICの点数を可能な限り上げる、の2点に尽きると思います。これが親の立場になって現実的に考えた場合の子供へのアドバイスになるのではないでしょうか?英語塾である当塾としては生徒さんにはTOEICで900点ぐらいは大学3年生3月の時点でほしいと思っております。大学の授業はそれでも余力がある場合は頑張りましょう。平凡な出来の大学生にとっての優先順位は、1.SPI 2.TOEIC 3.授業です。
休める時がなく、常に努力しなければならないのは本当に苦しいです。しかし中学受験、大学受験での成功をもう一度就活で繰り返したい場合は、同じ分の時間の苦労が必要だとつくづく感じます。もちろん、この競争をどこで降りるかというのも学生の選択肢の1つですが、当塾としては英語の語彙を軸にして、なるべくこの競争を楽に持続できる心の余裕を生徒さんに持ってもらいたいと願っております。
ただし…
就職せずにそのまま海外院に挑戦する、もしくは就職2~3年後に、海外院を視野に入れる場合は、GPAからは逃げれません。ここは、割り切って出来るだけ多くの楽単科目を履修し、GPAの底上げを図ることに徹しましょう。