The Economist についての当塾的紹介
英語を長年に渡り学習し続けていくためには教材が必要です。多読であれば、自分の好きな作家の Paperback や、英語の新聞を読むというのがオーソドックスなやり方だと思います。自分で教材を毎回選択するのがめんどうという方や、毎日発刊される英字新聞はどうせ全文は読めないのでもったいない(日本の新聞を毎日隅から隅まで読むことも出来ないとは思いますが)という方の場合は、最終的にはTIME、Newsweek、The Economistの3誌のうちのいずれか1つに落ち着くパターンが多いようです。毎週1回送付されてきて、教材感があって適度なプレッシャーを自分にかけるには丁度良いかもしれません。
ここからは、好みの問題になると思いますが、TIME、Newsweekだとアメリカ国内の記事が多く、The Economist の場合は、まんべんなく均等に世界全体のネタを取り扱っているため、学習者としてはこちらの方が取り掛かりやすいと思います。ただし、学習用教材としては、どれも同じ効果を学習者にもたらすものと考えます。
The Economist は毎週同じフォーマットで書かれております。読んだことのない人、これから読もうと挑戦する方の場合は、当塾としては以下のように各パートを紹介してみました。
1.The World this week 難易度★
1週間の世界の出来事を簡潔にまとめてあるコーナー。簡潔にまとめてあるため、難易度は低いです。
2.Leader 記事 難易度★~★★
エコノミストが一番気合を入れている記事です。特に、Leader の最初の1本目の記事は、エコノミスト誌として、その週に最も言いたいこと!のようなイメージで書かれているのではないでしょうか?
3.Briefing 記事 難易度★★
Leader 記事の詳細の記事です。
4.アジア 難易度★
日本の記事もここに含まれます。非英語圏の人でも読みやすいように、エコノミスト中で最も平易な記事となります。日本人にとっては背景知識が最もあるために読みやすく、ここの記事が楽しく読めるかどうかが、エコノミストの無理のない定期購読の分かれ目となると思います。
5.中国 難易度★
こちらも非英語圏の人でも読みやすいように、平易なレベルに意図的にしているような心配りを感じます。
6.US 難易度★★
アメリカ国内の状況の報告記事ですが、アメリカの国内政治などの背景知識がわかってくると、若干ですが読みやすくなるのではないかと思います。
Lexington 難易度★★★
後述のBagehotほぼ同レベルの難易度で、アメリカ人でなければ、理解出来ないエッセイになっていると思います。。。
7.中東&アフリカ 難易度★
非英語圏向け記事と感じます。
8.アメリカ大陸(主にカナダと南米)難易度★
こちらも非英語圏向け記事と感じます。
9.ヨーロッパ難易度★~★★
背景知識や文化の違いから、英語自身は簡素かもしれませんが、日本人にとってはアジア部よりも若干難しいかもしれません。
10.UK難易度★★
難易度はかなり高いです。イギリス国内のイギリス人向けと思われます。。。
Bagehot 難易度★★★
最難関で、編者も辞書なしで完全訳出来たことは一度もありません。たとえ完訳出来たとしても、背景知識、文化や音楽の歌詞からの引用、ダジャレなど、イギリス外の読者を無視したレベルと見受けられます。編者の英語のレベルは大したことありませんが、ここのエッセイを背景知識やダジャレ、慣用句、すべてパーフェクトで完訳+説明できることが英語学習者(研究者ではなく)としての最終極致なのかなあと感じます。使われている語句のしゃれやパロディーの元ネタはネイティブの50代以上の人に聞かないと分からないものも多いです。日本語で置き換えて言うならば、ピンクレディーの歌詞からの引用、8時だヨ!全員集合やオレたちひょうきん族を元ネタにした比ゆなどは、外国人日本語学習者が到達出来るレベルではないと思います。
11.International(世界全般))難易度★~★★
12.Finance & economics難易度★★
13.Science & technology難易度★★
科学用語が多いですが、あくまで一般人向けが読む雑誌の科学コーナーであることを意識
14.Culture難易度★★★
新しく発売された本の書評が多いです。
15.Obituary難易度★★
*その週に亡くなった有名な方の業績等
日本国内での発行部数
ネット上には情報はありませんので、問い合わせをしたところ、
Active Print Subscriptions – 2,601
Active Print & Digital Subscriptions -2,629
Active Digital Subscriptions – 2,061
とのことでした。2017年段階の任意の週のことなので、現在では、Printの人はデジタルもサブスク出来るので、Web版限定だと、2000,Print版とWeb版併用だと5200の合計7200部ということのようです。まず半数は個人以外で定期購読(会社、教育機関、、、など個人以外の組織)、残り半分のうちの半分は日本にいる外人が購読、最後の4分の1が日本人が個人で定期購読している分と考えてみると、実際には毎週2000人の国内にいる日本人が個人として読んでいると、大雑把に把握可能かもしれません。
毎週読み続けるコツ
いろいろな方が自分のやり方を説明しているのをネット上で散見出来ます。一番多いのは、無理せず毎週特定のコーナーの記事に狙いを定めて読むとか、ページ数で区切るとか、目次をみて興味のありそうな記事を2~3本にしぼって読むとか、そういう方法です。
当塾的には、
(1)1ページ1回のみ辞書を引くというしばりをつけて読むことで、分かっているか分かっていないかは別として、少なくとも形式的には読み進める量を無理やり増やす。
(2)自分が分からない単語が出てきた時点でそのページは終了(その単語は調べる)させ、とにかく毎週 Obituary までそのように読み切り、読み切った達成感をもって毎週続ける。
などを試しています。ポイントは、この方法なら毎週続けられるという、自分を納得させるやり方を自分なりに見つけた方が長く続けられる秘訣のようです。この自分で作った自分を満足させる、自分だけのルールはとても重要です。この自分ルールで、毎週14~5時間程度時間を割けられるようになれば、実力は限界なしに伸びるのでしょうけど、時間のない時にどう処理すれば自分が納得いくか?という点もまた重要だと思います。週に30分しか時間が割けない多忙な場合でも自分が納得の出来る処理法を編み出すことが、継続学習の鍵だと感じます。